物語

しんだあの子1

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「ノリコさん、なにこれ? ケータイ?」
 毎年僕の誕生日、暑い夏の日になるとやってくるいつも白衣を着ている女の人――開
堂 則子(カイドウ ノリコ)――がくれたのはケータイだった。
「そうよ、しかもこれただのケータイじゃないの……この番号にかけてみて」
 僕はモニターに映る番号を確認して発信ボタンと押す。するとコール音が二度響き。
「もしもし、こちらはミミデス。どのようなご用件デスカ?」
 電話越しからあっけらかんとした女の子の声がした。僕は何事かとノリコさんに助け
を求めるようにみる。
「その子とお話してみて」
 ノリコさんは無茶苦茶なお願いをしてきた。同年代の女の子ともほとんど話をした事
のない僕がどんなはなしをすればいいのだろう。
「僕の名前は麻都 円(マト マドカ)といいます」
 僕は自分の名前が嫌いだ。どうやらマドカという名前は「女みたいな名前」だそうだ。
よくからかわれるこの名前が嫌いだ。
「マドカちゃんですネ。かわいい名前です。きっとかわいいんでしょうネ」
 ほれみろ、さっそく電話越しの相手は女の子だと勘違いしている。
「ちがう。僕は男だ」
「男の子ですか。きっとかわいいんですネ」
「かわいくないし。いや、かっこよくもないけど……普通だよっ」
「まぁまぁそう鼻息荒くしないでクダサイ。マドカはミミに何か用があって電話したん
デショウ?」
「いや、ないよ。電話してみてって言われただけだし」
「そうなんですか? 何か用事があったら電話してください。それじゃ失礼しますネ」
 一方的に電話を切られた。
「どうだった?」
 ノリコさんはメモ帳を片手に食い入るように聞いてくる。
「どうだったって……何がですか?」
 僕は顔を近付けてくるノリコさんから反射的に少しのけぞりながら聞き返す。
「女の子がでたでしょ? どんな女の子って印象をうけた?」
「うーん、なんか元気そうな……。あとなんか語尾のネが上がっててヘンだったかな」
「他には?」ペンを走らせながらさらに聞いてくる。
「わからないですよ。ちょっと話しただけですし、見たこともない相手のことなんてわ
からないです」
「んーやっぱりそうよねー。私もそうだからマドカ君に聞きに来たんだけどね」
「え、みたこともない女の子と電話させてたんですか? というかどこの人なんですか、
ミミっていってましたけど」
「んーまだどこにもいないのよね、この子」
 ノリコさんのいっていることはいつもさっぱりだった。
「そのケータイあげる。たまにでもいいからミミと電話してみてね、それじゃ」
 ノリコさんはそう言って帰りの支度を始める。いつも忙しそうにしているな。
「あ、それと、そのケータイのことあの人には内緒ね。マドカ君もそれみつかったら怒
られちゃうでしょ?」
 あの人とは、僕の育ての母だ。本当の母親じゃあない。とても怖くて逆らえない人だ。
ノリコさんがここに来るのをよく思ってない人。ノリコさんもそれをわかっているから
か母がいない時間帯にきてこうして僕に誕生日プレゼントをくれる。……まぁなぜノリ
コさんが僕にこうもプレゼントをくれるのかは小さな僕にはわからない。プレゼントを
くれてやさしくしてくれる人。今の僕にはこれ以上の印象はなかった。
「あ、それと」帰り際、ノリコさんは僕にこういった。「マドカって名前。私は嫌いじゃ
ないわよ。『円』ってどこにでもあるけど数字で表しきれてないでしょ? なんだか数字
以上の可能性が秘められてるみたいで素敵じゃない?」
 ノリコさんはそういって帰っていった。名前が嫌いな僕を励ましてくれたのかもしれ
ないがノリコさんの話は難しくてほとんどわからない。
 ノリコさんが帰ったあと、僕はケータイをいじってみた。特に変わった機能があるで
もない。むしろインターネットにつなぐこともできない。アラームもない。ただ電話と
メールができるだけである。形も学校の友達にみせてもらったものと大分ちがう二つ折
りだ。僕はケータイといわれ少し胸躍る気持ちだったけどこうしていじっているうちに
ひどくがっかりした。
 そして、最後にアドレス帳をみると登録者がふたり。『開堂 則子』それと『ミミ』の
二つがあった。ノリコさんのアドレスがあるのはわかる。ケータイに関して何かあった
ら電話してくれとノリコさんは言っていた。
 だが、もうひとつ「ミミ」の方に関してはなぜ入っているのかはよくわからない。『な
にか用事があったら電話してね』といっていたが顔も見たことのないどこの誰だかわか
らない相手に用事などできるはずがない。僕はケータイを閉じて使うことはないだろう
と自分の机の中にそっとしまった。

 だが数日後、僕はそのそっとしまったケータイをにぎっていた。部屋の中で目を赤く
腫らして泣きじゃくりながら。
 だれでもいい。ただ、話をしたくて僕はアドレス帳の『ミミ』を選択し発信する。コ
ール音が二回鳴り終わるとガチャっと音がして
「もしもし。こちらミミですネ。ご用件は何でしょうか?」
 淡々とした様子で電話に出る女の子。一体何者なんだろう。
「…………」僕は迷った。いざ電話してみて自分のしていることの情けなさ、相手にと
ってただ迷惑でしかないんじゃないだろうか。
「もしもし? 聞こえてますかー?」
「あ、あの……!」何か用事があったらと言っていたんだ。「ちょっと聞いて欲しいこと
があって電話したんだけど……」
「どんな相談でも承りますよー」
「……今日いじめられたんだ。名前のことで」
「女の子みたいな名前で、ですか?」
「うん、僕友達とかいないからさ。誰かに話したくて、それでミミに電話したんだ」
「うんうん、ミミになんでも話してください。あたしの時間は無限です。好きなだけう
っぷんを晴らしてくださいですネ」
「まぁ、でもだからって特に言いたいことがあるわけでもないんだ、なんだろうただ認
識して欲しかったのかもしれない。僕は名前のことでいじめられている。けどそれって
男としてはとても情けないことに感じるんだ。だから、なんというか身近な人程知って
ほしくない。だけど、僕のこの環境を知って欲しい」僕はあたまに浮かんだ考えを整理
しないまましゃべった。自分でも何を言っているのか後半からはわからなくなっていた。
「そうすると、あたしはとてもいい距離にいるわけですネ。マドカのことを特別知って
いるわけでもない。けど知っている。それでいて赤の他人とほとんど変わらないキョリ。
愚痴をはくのにちょうどいい距離ってことですネ」
「うん……。きっとそんな感じ、なのかな」ミミは僕のいいたいことを装飾なしでまと
める。つまり僕は愚痴りたかったのだ。けど身近な人にいえば何かしら環境に影響がで
る。けどミミみたいにどこにいるのかわからない、全然知らない相手だったら何を言っ
ても何も変わらない。
「ま、でもそんなことはどうでもいい、わけではないですけど。やっぱ問題を相談され
た以上それの解決を図りたいですネ」
「解決って、そんなことできるの?」僕は小さな期待を込めミミに聞きなおす。僕には
思いつかないような何か、名案を。
「名前を変える」
「え……?」
「名前を変えるのどうです? まず原因となっているのはマドカの名前がいじめの材料
となっている点ですネ。それを踏まえて考えると、すぐにたどり着く答えだと思います」
 ……、この子は何を言っているんだ。名前を変えることなんてそうそうできるわけな
い。それに名前を変えたところで僕だからいじめられるわけで……あぁそんなことを考
えていると情けなくなってくる。
「ミミ、名前を変えても、多分僕はいじめられる」
「アレ、そうなのですか?」
「うん、僕は背が小さくて文句を言えない性格なんだ。だから女みたいな名前って理由
で僕をいじめているだけなんだ」
「なるほど、なら名前を変えてもいじめられる可能性はありますネ。なら……」
 今度は背を大きくして文句を言えるようになりましょう、とかいうのかな。
「いじめから逃げるってのはどうです?」
「いじめから逃げる?」
「そう。もういじめがないようなところですごすのです。いじめは学校で行われている。
なら家に避難して待つってのはどうですネ?」
「それじゃあ、引きこもりだよ……。そんなの母親が許さない」
「んー。なら学校でいじめられない場所はないのですか?」
「クラスの男子はどこまでも僕を追いかけてくるよ。逃げ場なんて……」
「フッフッフー。ありますネ。男子生徒が追いかけて来れなくて人目につかない場所が」
 僕はその一言を聞いて淡い希望を抱いた。しかしそれは当然ながら問題を抱えた答え
であり、その提案を聞き入れるわけにはいかなかった。

 が、そうもいってられない。今、学校の昼休み。僕は廊下を走っていた。いじめてく
る男子から逃げるためだ。だけど、僕は身長が低いからか足が遅い。もう追いつかれる。
僕は、廊下を曲がりそして
『女子トイレ』へと潜り込む。そして個室の一つに入り鍵をし洋式トイレのふたに音を
立てずに座る。
 僕は口元を抑えて肩で息をする。徐々に呼吸を整えていき、最後に一つ小さく息を吐
く。昼休みの校庭の賑わいだけが聞こえる。――誰もいない。僕は、ケータイを取り出
し耳に当てる。
「やったよ……! あいつらから逃げられたよ……!」
「おめでとーございますネ」
 と、安心したのもつかの間のこと。僕はすぐに口を押さえ息をのんだ。
「どうしたのです?」
「だれかきた……っ」僕は息を潜めながらケータイの受話器にそっとつぶやく。
 この小学校はコの字になっており教室棟の向いに、実験室などのあるこの演習棟があ
る。そしてここのトイレはどこの普通の教室からも離れている。つまりわざわざここに
来る目的でもない限り誰も来ない。なのに、誰だ……? 僕はケータイの画面をみる。
通話時間が時間を刻む。その上の方にはいまの時間が示されている。昼休みが終わるま
であと五分。チャイムが鳴れば今入ってきた生徒だって教室にもどるはずだ。
 ケータイをポケットにしまってじっと待つ。
 昼休みの校庭の賑わいにコッコッと上履きを鳴らす音が聞こえる。その上履きの音は
僕の隣の個室へと踏み入れる。鍵を閉める音。そして水の滴る音。
 その時僕はひらめく……!
 いまのうちに出て行けば接触するとはないのでは? そう思った僕は鍵を開け出て行
こうとする。
「あなた、ここでなにをしておりますの?」
 が、しかしなぜか背中の方から声がする。待って欲しい。今水が滴る音がしているの
になぜ女子生徒の声がするんだろう。
 色々と恐怖しながら僕は振り返るとそこには一人の女子生徒が腕を組んでふんぞり返
って立っている。
「あ、あなたは……!?」
 この子は、いやこの人は鳳華殿 怜(ほうかでん れい)。同じクラスの女の子だ。家
がとてもお金持ちらしくお嬢様なんだとか。とても頭が良くて、それにとてもかわいい。
 本人は知っているのかどうかは知らないけど、クラスのみんな(主に男子)は鳳華殿
様と呼んでいる。
「聞こえませんでしたの? あなた、ここでなにをしておりますの?」
 鳳華殿様は自信に満ち溢れた声でなんだかよくわからないけど丁寧な言い方で迫る。
僕を見る目は悪いことをした時に、にらむ目というより楽しんでいるというのか……。
その口の端をにやりとつりあげちいさく笑っていた。
 そしてその間にもなぜか水の滴る音が聞こえてくる。
「ぼ、僕は……」
 死んだ……。社会的に死んだ……。頭の中には新聞の一面記事の犯罪者のように連行
される僕の姿が浮かび上がる。
「いえ、待ちなさいっ。大丈夫ですわ、理解いたしましたわっ」
 鳳華殿様はこめかみを人差し指で押さえ目を瞑る。何かを理解したらしい。
「あなたは……」こめかみから指を離し僕を指す。
「変態ですわ」
「なっ……」
「そう、それもただの変態ではございません。追われていた変態ですわ」
「ど、どうしてそれを……」
 ちなみに疑問に思っているのはなぜ追われているかということで変態の部分じゃない。
「あなた、よく男子生徒にちょっかいを受けて逃げておいでだったでしょ? 今日はこ
ちらの方に逃げたことから推測いたしましたの」
「じゃあ、僕がこの個室にいることも……ある程度予測できたというの?」
「えぇ、トイレに入った時アンモニアの鼻腔をつく刺激臭やメタン、硫化水素といった
匂いが全くありませんでしたの。つまりっ」鳳華殿様は僕にぐいっと迫り
「トイレに本来の用途以外で使っていたということになりますわっ」
 普通じゃない。これじゃあどっちが変態だ……。いや、僕は変態じゃないけど。
「さらに付け加えるのでしたら、このトイレ。わたくし以外誰も利用していらっしゃら
ないの」
「え?! そうなの?」
「見えませんでしたの? 入り口に故障中の看板があることに」
 入り口を見ると確かに「水が流れませんですわ。故障中!」と書かれている。そして
トイレの水を流そうとしても流れやしない。
「ちょっと待って。じゃあさっきの水の音は……?」
「それは水筒ですわ」
 鳳華殿様は個室をみるよう指で示す。僕は指差す個室を恐る恐る覗くと制服のリボン
で吊るされた水筒が目に入る。水筒の口は地面に向いていた。そしてその口からは水が
ちょろちょろと滴っている。僕は水筒から水が滴っている音を間違えたのか。と素直に
感心していた。
「それで、あなた。まだわたくしに秘密、といいますか、おっしゃってないことがある
でしょう?」
 鳳華殿様はずいっと僕に近づくとポケットに手を突っ込む。
「な、なにすんの?!」
「うるさいですわ! 変態に人権はありませんわ!」
 そして通話状態のケータイを僕に向ける。
「これはなんですの?」
「ケータイです……」
「知っております。あなたのオリジナルのものですわね。このような型は見たことあり
ませんわ……ってそのようなことではなくっ、誰と電話してらっしゃるのかしら?」
「えっと……」
 ぼくは今更になって気付いた。ミミの素性について全く知らなかった。
「しらない、女の子」
「しらない? それは相手の事をご存じでない、ということですか?」
「いや……名前はしっている。けどそれ以外は何もしらないんだ」
 それをきくと女子生徒はケータイを耳に当てる。
「……もしもし、わたくしの名前をご存じですか? …………あなたが嘘をついている
かは電話越しではわかりません。しかしこの鳳華殿怜は決して情報をお渡しはしません
わっ! ……え? なんのことですかって? しらばっくれても無駄ですわっ」
「ちょちょちょっとまって」
 なんだかこの人変な子だ。何か勘違いしてるっぽいし……。
 僕の中でイメージしていた鳳華殿さんとはかなりかけ離れた性格をしていた。お嬢様
ってこう、もっとおとなしいイメージだったがそれはイメージでしかなかった。
「待ちなさいっ。大丈夫っ。わたくしに良い考えがあります」
 そういって指をパチンと弾くとトイレの窓から清掃員の格好をした男が映画のスタン
トマンみたく転がり込んでくる。そして転がる勢いでそのまま立ち上がると何事もなか
ったように先ほどの激しさを疑うほどゆるりとした動きで帽子を胸に置き小さくお辞儀
する。清掃帽を外すときっちりと整った白髪、それとしわくちゃの顔。先ほどトイレの
窓から飛び込んできたのがこの老人だと認識するのは小学生の僕には無理だった。
「どうなさいましたかお嬢様」
 目の前の鳳華殿さんはその老人にケータイを渡す。
「これを調べなさい。どこから発信されているか、どこのメーカーのパーツか、データ
の解析もやっておきなさい」
 そして早口に何かを言って
「かしこまりました」
 コツコツコツと靴を鳴らして老人は会釈をして足早に女子トイレから出て行く。
「あなたはこちらですわ」
 鳳華殿さんはそういうと僕の腕をつかむ。そして先ほど僕が入っていた個室に僕を突
き飛ばす。僕は勢いよくトイレに座る形になる。鳳華殿さんの力が強いのか、僕が軽い
のか、そんなことを考える間もない。
「あなたのお名前は?」
 鳳華殿さんはガンッと踏みつけるように片足を便器の縁に乗せる。僕は思わず腰を引
いてしまう。すると鳳華殿さんは迫るように近づく。僕はなんとなく危険だと感じた。
「マトですっ」
「下は?」
「マドカです」
「あのケータイはどこで手に入れました?」
「知り合いのおばさんからもらいました」
「電話の相手とはどのような関係ですの?」
「相談相手というか話し相手というか……。おばさんにケータイをもらったときに話し
相手になってくれっていわれたんだ」
「なるほど……」
 鳳華殿さんは足を下ろして僕から離れると
「わたくしの名前は鳳華殿 怜と申します。それと、先ほどのは執事の折戸(オリト)と
いいます。それと……」
 鳳華殿さんは深く頭を下げて
「まずは非礼を詫びますわ」
 鳳華殿さんは突然謝ってきた。僕はもう色々起きすぎて頭が混乱していた
「あ、いや、僕が女子トイレに飛び込んだのが悪いんで」
 僕もつられて謝っていた。
「別にホウカデン様は……」
 というと、下げている頭がぴくんと反応してあからさまに機嫌の悪そうな顔をあげる。
「マドカ、わたくしの名前を呼ぶときはレイと呼んでくださる? 鳳華殿の名はあまり
にも目立ちすぎて、その名を聞くだけでひざまずく者までいますわ」
「鳳華殿なんて珍しい苗字きいたことないけど」
「小学生なんですから当たり前ですわっ。家に帰ったらお母様にきいてごらんなさい」
「は、はいっ」
「わたくしは家名だけで評価されたくありませんし、いつかは鳳華殿の名ではなくわた
くしの名前を知らしめると誓っておりますの。だから決して苗字で呼ばないよう、お願
いしますわ」
「わかった、レイって呼べばいいんだね」
「ふっふっふ、いいものですわね。名前を呼ばれるというのは」
 レイはそのとき笑っていた。その理由は今の僕に知ることは出来ないし、知ろうとも
しなかった。僕はただ目の前で起きる現実を受け入れるので精一杯だった。
 その時、チャイムが鳴った。
「あら、もうこんな時間ですのね」
「あの、僕のケータイは……?」
「そうですわね、オリトが今調べていますのですぐにお返しはできませんわ」
「そんな……」
「午後の授業が終わる頃には解析は済むでしょうし。その時にお返ししますわ」
 なんてわがままな……。そう思ったけど顔に出すだけで口にはしなかった。文句を言
ってもケータイはすぐにもどってこなさそうだし。なんだが一つ言ったら千の言葉が返
ってきそうな気がした。
 レイが外に誰もいないのを確認し女子トイレから出る。レイは教室に戻るのかと思い
きやまたどこかに行くらしい。僕はひとり教室に戻った。


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