物語

コード:ギロチン3

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 どこかの教室。見覚えのある場所だった。俺は教室の隅に立っていた。誰もいない教
室。音もなく窓から外を見ても誰もいない。
「ここで何やっているのかしら? ここはお兄さんがいるような場所じゃないですわ」
 振り返ると席に座っているレイがいた。しかし、その姿は小学生の頃のものだった。
「レイ、どうしてそんな姿に?」
「近づかないでくださる?」
 レイは子供特有の高い声でぴしゃりと言って僕を睨む。その見た目と声であまり迫力
はなかった。
 そんなことを思っていると僕の足は何か硬いものに挟まれる。僕は足元を見ると鉄輪
が両足につけられていた。しかも鉄輪には地面から伸びている鎖がついている。
 ためしに足を動かすが鎖の可動範囲しか動けない。
「どうして、こんなことしたの?」
「あなたがここに来たから。その鉄輪は挨拶みたいなものですわ」
「挨拶? どういうこと?」
「ここはわたくしの体内。物質的な空間ではなくもっと量子的な空間。ここを『わたく
し』以外にこられると困るんですわ」
「僕等はレイを助けに来たんだ。別に危害を加えるつもりはないよ」
「助けに来た? 別にわたくしは助けに来てほしいと信号を出してはいませんが?」
「それは出せないほど弱っているからだよ」
「その弱っているのはわたくしじゃないですわ。あなた誰を助けに来たの?」
「誰をって……さっきも言った通りレイを、助けに来たんだよ」
「本当かしら?」
 そう言うとレイはランドセルを背負って教室の出口へと歩いていく。
「ちょ、ちょっと、この鎖なんとかしてよ?!」
「できませんわ。あなたは異端分子。そこでじっとしててくださる?」
「ちょちょちょっとぉー……って行っちゃったよ……。どうしよ、これ……」
 俺はしゃがんで鉄輪と鎖を見てみる。さわり心地もひんやりしており叩いた感じが本
物だ。
「――マドカッ……聞こえる? マドカッ……」
「聞こえますよっノリコさんっ」
 どこかからノリコさんの声が聞こえる。どこからしているのか、わからずあちこちを
見ながら大声で返事をする。
「――マドカ、どうしてすぐに返事をしなかったの?」
「さっきから呼んでいたんですか? 全然聞こえませんでしたよ?」
「――さっきまでそこで何かあったりした?」
「さっきまで小学生くらいのレイがいましたよ。どっか行っちゃいましたけど。あ、そ
れよりなんか足固定されて動けなくなっちゃったんですけど……」
「――マドカが接触したのは多分レイちゃんじゃないわ。アンチウィルスよ。アンチウ
ィルスによって通信を遮断されていたんだわ。とりあえずミミをそこに移動させるから
合流して」
「あれがアンチウィルス? レイの姿をしてましたよ」
「――クローン体は精神と連動してセキュリティを形成しているの。だから個体特有の
形状になるんだけど、その小学生の格好のレイちゃんがセキュリティとしての姿なんだ
と思う」
 なぜに小学生……。そんなんで侵入者を守れるのだろうか。そう思ったが事実侵入者
である俺を警戒し、そして動き回れないように俺をここに固定した。
「なら、あれはレイじゃなくて、ただのセキュリティなのか」
 それにしてもいくつか妙な質問をされた気がする。
「マドカ、大丈夫ですかネ!」
 ミミが教室の扉を思いっきり開けて飛び込んできた。
「あぁ大丈夫だ、足元以外は」
 ミミは駆け寄ってきて俺の足元を見つめる。
「これは、セキュリティの一種ですネ」
 ミミが鉄輪に触れると鉄輪と鎖はモザイク状に霧散していく。
「すごいなミミ。こんなことできたのか、お前!」
「これくらい朝飯前ですネ! マドカの全身が鎖だらけになっても突破できますネ」
 全身鎖はなんか気持ち悪いな……。
「――ミミ、マドカと合流できたのなら早速ギロチンの位置を検索して」
「わかりましたネ」
 ミミはぐるりと教室を見渡す。いや、教室を見渡したのではないのかもしれない。も
っとここじゃない遠くを見ているのかもしれない。
「こっちですネ」
 ミミが歩き出したのについていく。
 教室を出て廊下を進む。廊下は際限なく続いておりその先が見えない。ミミはその廊
下をひたすら進む。
 どこまで続いているのだろうか。それにここには俺らと同じようにレイがいるのだろ
うか。黙々と歩いているのもつらいものがある。
「ここにはレイはいるのか?」
「いますネ。多分ギロチンのある場所にいます。レイはいまギロチンに壊されようとし
てしますネ」
「もしギロチンに壊されたら……死ぬのか?」
「……そういうことだと思いますネ」
 ミミのためらう言葉に事態の重さが実感として伝わってくる。
 ミミは廊下の途中で足を止め、窓を見る。
「どうした?」
「ここですネ。ここからレイとギロチンがいるところにいけますネ」
 そういうとミミは俺の方に振り返る。
「マドカも一応、ギヨタンが使えますネ。もしギロチンと相対することになってギヨタ
ンを使いたい時は対象に触れてサイバーダイブの時みたいに認証声紋を通せば使えます
ネ」
「わかった」
 俺が頷くとミミも一度頷き窓の方に振り返る。そして窓に足を掛ける。俺は思わずミ
ミを止めようとしたがその前に窓から飛び降りる。
 俺は窓から身を乗り出して下を見る。だけど地面にはミミの姿はなかった。そういえ
ばミミの『中』に入ったときも同じだった。家から学校への移動など今思うと違和感が
あった。場所から場所の移動が現実とは違うのだろう。
 俺はミミと同じように窓に足を掛けて飛び降りる。ここは三階。思わず体を強張らせ
る。
 と、飛び降りた次の瞬間地面に足が着いた。俺は思わずバランスを崩して前につんの
める。
「大丈夫かしら?」
 その子供の声に俺はすばやく体勢を立て直し距離をとろうと後ろに下がる。しかし、
すぐ後ろに金網があり背中を思いっきりぶつける。
「そんなに慌ててどうしたのかしら?」
「お前は……! アンチウィルス……!」
 目の前には小学生の姿のレイ。今度は私服姿だった。それよりミミとはぐれた。ノリ
コさんの通信もないということは遮断されたのか。
「少し違いますわね。わたくしは『レイでもありアンチウィルスでもある』が正解です
わ。……どういうことだって顔してますわね」
 アンチウィルスはクスリと小さく笑う。その無邪気に見える笑顔が今は気味悪かった。
「教えてあげますわ。アンチウィルスは精神と連動して形成される。それはアンチウィ
ルスは脳の一部として存在するからですの。だからわたくしにもレイの考えや記憶、感
情が入ってきますのよ。むしろレイが知らないこともわたくしの中に記録されています
わ。だからわたくし、あなたのことご存知ですのよ」
「なんだって……? レイは僕と出会う前のデータからクローンが作られたんじ
ゃ?!」
「誰から聞いたのかしら、そんなこと。鳳華殿の技術力を舐めないで頂きたいですわ。
死んですぐの個体からもデータを取ることはできますわ」
「じゃあ、どうしてレイは僕といた頃の記憶がないの?」
「それは、わたくしがロックを掛けたからですわ。あなたはレイが死んだことを知って
いる一般人。あなたとレイが接触すればクローンということに気付いてしまう。だから
あなたと接触してしまわないようあの頃の記憶を封印したんですわ。ま、結局あなたが
無理矢理接触してレイはクローンであると気付いてしまいましたけど…………あら?」
 アンチウィルスはそう言うと突然あさっての方向を見る。
「どうやら、悪い子がいるようですわ」
 そう言うと、一瞬足元が浮いたような感覚にとらわれすぐにまた地面が出現する。バ
ランスを崩して片膝ついた時、見覚えのある場所だとすぐにわかった。
 放つ異臭、散らばるゴミ、レイが死んだ場所、小学生の時に侵入した区間集積所の中
だった。
「ミミ、それ以上はやめてもらえますかしら?」
 アンチウィルスが視線を放った先にいたのはミミ、それと、レイだった。
「やっぱりきましたネ。レイのところにくればアンチウィルスもすぐに駆けつけると思
ってましたネ」
「あら、足りないおつむでも少しは知恵が働くのですわね」
「ひ、ひどい言いようですネ……。それより、マドカから離れるですネ!」
「あら? マドカは自分からわたくしのいるところに落ちてきたんですのよ?」
「むーそれは嘘ですネ! ミミが落ちた後、別の空間に切り替わっていましたネ!」
 ミミは地面に手をつくと俺はまたもや浮遊感にとらわれるがすぐに地面に足がつく。
「マドカ、大丈夫でしたか?」
 ミミがすぐ横にいた。俺は自分のいる場所が変わっていた。
「書き換えが早いですわね」
「ミミはやれば出来る子ですネ」
「でも、あまりわたくしの中で好き勝手やられては困ります、わっ」
 一瞬だった。突然襲われても逃げ出すくらいはできる距離。だけどここではそんな物
理的な距離なんて意味がなかった。アンチウィルスは一瞬でミミの目の前に現れる。
「マドカ! レイを!」
 俺はミミに言われるがままレイのところに駆け寄る。
「シグナルアウトを発動しますわ!」
 アンチウィルスがそう叫ぶ。なんの命令かはわからない。俺は思わずミミの方を振り
向くとミミが光に包まれる。
「ミミ! 大丈夫か」
 「マドカ! ギヨタンで――」
 何かを言いかけてミミは消えてしまった。
「ミミ?! ミミ!!」
「ここへのアクセスを拒否しただけですわ。別の場所にはじき出されただけだから心配
はいりませんわ」
「アンチウィルスっ……!」
 俺は威嚇するようにアンチウィルスを睨む。
「わたくしはアンチウィルス。そしてギロチンの執行人。そこで寝ているレイを殺さな
ければいけないんですの」
 そういわれて俺はレイを庇うように立ちはだかる。そして目の前の小さな子供を睨む。
「ギヨタンは対象に触れて声紋認証を通す」そう小さく口にして近くにきたら一瞬で触
れることが出来るよう構える。
「わたくしを殺すんですの?」
 目の前の小さな子供がその言葉を発する。すると俺は静電気に触れてしまったように
手を引っ込める。
 なんで? どうして俺は手を引っ込めた?
 こいつはアンチウィルス。
 こいつはテキ。
 こいつをたおさないとレイはタスからない
「マドカは誰を助けに来たんですの?」
 僕は……レイをタスけにきた。

 なんだ? キュウにナツかしいスガタがアタマにハイってくる。
 いつも自信に満ち溢れた立ち振る舞い。
 ちょっと常識外れなところがあって。
 友達思いで優しい奴で。

「マドカ! 何寝てんですの? もう授業は終わってますわ」
「ん?」
 目が覚めると、小学校の机に突っ伏して寝ていたことに気付く。
「早く、ケータイを貸しなさい!」
 レイが手を突き出し、早くケータイをだせと連呼している。
「レイは借りるのにどうしていばってんのさ……」
 欠伸をしながらポケットをまさぐる。
「貸すと約束をちゃんとしておりますわ。わたくしはその約束により発生した権利を主
張しているだけですわ!」
 レイはいつも通り、わけのわからないことを言っている。
「もう、なにいってるかわからないよ……」
「つ、ま、り、早く、ケータイを貸しなさい! ってことですわ」

「マドカはどうして、わたくしといつも一緒にいるのかしら?」
「え、もしかしてイヤだった?」
「いえ、そういうことではありませんわ。ただわたくしって客観的に見て少々変わって
いるではないですか」
 少々どころじゃない気がするが。
「それにいつもマドカを引っ張りまわしてばかり。その、そんなわたくしといて、イヤ
になったことは、ありませんの?」
 いつになくレイはもじもじと言葉を詰まらせなんだか難しい顔をしている。
「ないよ」
「ないんですの?!」
 ズイッとレイは顔を近づけてくる。その表情は先ほどとは打って変わって明るい。
「あ、まぁでも、疲れることはあるかも」
「なんですの? どういうことですの?」
 レイはまたむすっとした顔に戻ってしまう。
「つかれるって言ってもイヤとかじゃないんだ。楽しく遊んだ後みたくさ。心地良いつ
かれっていうかさ。まだまだ遊びたりないのに、もっと一緒にいたいのにって感じので
……」
「……もっと一緒にいたいんですの? このわたくしと?」
「あぁ、まぁ、うん、そういうこと、だと思う」
「ヘンな人ですわね、やっぱり」
「えぇ?! いま僕ヘンなこと言った?」
「言いましたわ。とってもヘンなことを。……ま、でもわたくしももっとマドカとは一
緒にいたいですわ」
「うわっ、なんかヘンなこと言い出した……」
「な?! マドカが言い出したことじゃないですの! やっぱりヘンですわ! わたく
しはもう、帰ります!」
「あぁ待ってよー! レイー!」

 チガう。これは……。ナンでこんなモノをオモいダす……。
「レイを壊されないようにアンチウィルスを壊しに来た」
 そうだ、だから、僕はメのマエの…………。レイを……。


 死なすんですのよ、
 また、
 アナタが。


 そんなレイが、
 ゴミのシタジきになってシんだ。
 まるでムシをフみツブすようにカンタンに。
 僕のケイソツなコウドウでシんだ。
 あのコをイッシュンでツメたいシタイへとカえてしまった。

「う、うあ、ぁぁぁ……」
 あふれ出る。今まで抑えていたモノが、考えないようにしていたモノが。
 頭がいたい。
 ガンガン頭がひびく。
 いやな汗が体中からふきだす。
 僕は膝をついてうずくまり頭を抑える。
「わたくしを、殺すの?」
「くっ……」
 レイが、……いや違う。あいつはレイじゃない。
「何を言っているんですの? わたくしもレイですわ。あなたのことを知っているレイ
は全部わたくしの中ですわ。だからさっきの懐かしい記憶を見せることができたんです
のよ」
「何を言ってる……お前は、アンチウィルス。レイじゃない」
「ふふ、昔のマドカとの記憶は全部わたくしの中。マドカの記憶を持っていてレイの格
好をしているわたくしがレイじゃないと言うのならなんなんですの?」
「お前はアンチウィルスだ……」
「なら、」アンチウィルスの声が耳元からする。
「わたくしを殺してみせてくださる? その手で!」
 僕は自分の両手に視線を向けると、鎖がいくつも巻き付いていた。
「うわっ……! なんだこれは?!」
 僕の腕をがんじがらめにしている鎖は地面から伸びており立ち上がることを許さない。
「こいつ……! またセキュリティをっ」
「違いますわ。それはあなた自身のモノですわ」
 アンチウィルスは僕のそばまで歩いてきて、目の前で止まる。そしてじっと僕を見る。
「レイを殺すのか……?」
 アンチウィスルは黙って僕を見つめている。
「やめてくれよ……。レイを殺さないでくれよ……」
 恐怖や不安、そういう感情がごっちゃになり震えた声で目の前の少女に訴える。
 だが、黙って僕を見つめている。
 じっと、ただ僕を見つめている。
「レイは、殺しませんわ」
 目の前の少女は突然そう言った。
「え……?」
 少女は、僕に倒れるように抱きついてきて
 そして、小さく震えた声で
「まだ、マドカと一緒にいたいんですの……」
「レ、イ……?」
 思わず呟いてしまう。アンチウィルスだとわかっている。けど胸の中ですすり泣く少
女はとてもただのセキュリティとは思えなかった。
「わたくしはもっとマドカと一緒にいたいんですの……」
「レイ……? レイなの……?!」
「そうですわ。わたくしは、あの時に死んでしまった鳳華殿怜ですわ……」
「どうして……。アンチウィルスのはずじゃ……」
「さきほども言いましたわ。わたくしは小学校の時のレイの記憶。なおかつアンチウィ
ルスという役割を持っている」
「じゃあ、君はアンチウィルスでレイなのか?」
「そう、ですわ」
「どうして最初から言ってくれなかったの?」
「わたくしはギロチンの執行人。それを止めに来たマドカの前に、わたくしが立ちはだ
かったら、マドカはわたくしを消すことができますの?」
 そう言われて、僕は腕の鎖をみる。
 僕は目の前の少女がレイだと認めかけている状態で殺せるかを迫られて殺せないと思
ってしまった。だから腕に鎖が絡みついた。ということなのだろう。
「これが……」
「えぇ、そうですわ」
 レイは顔をごしごし拭いて立ち上がる。そして泣いた後丸出しの目の周りを真っ赤に
した顔で僕に指をビシッとつきつける。
「あなたはひっく、言ってしまえば志半ばでここにきたんですわ!」
「う、すみません……それとしゃっくりがでてるよ」
「う、うるさいですわ! こんな小学生に説教されるなんて情けないとはひっく、思い
ませんですの?」
 しゃっくりがでているがなんとか言い切った。
 レイはなんとかしゃっくりを止めようと息を止めたり色々しているがしばらく止まり
そうになかった。
 そして、こんなやりとりがとても懐かしくて思わず笑みがこぼれる。
「やっぱり、レイなんだね」
「えぇ……。そうですわ」
 レイはとても穏やかに答えてくれる。
「もし君が消えたら過去のレイの記憶はどうなるの?」
「わたくしと共に消えますわ。私を形成しているのは主に死ぬ以前のレイの記憶ですも
の。だからわたくしはこの格好ですのよ」
「そっか、そうだよね、そうなんだよね」

――しんだあのコは帰ってこない。
 あのコは死んだんだ。
 ぼくの知っているレイは
 あの時に。
 なんだか僕は納得できてしまった。
 思えば僕は小学生の時のレイを無意識下で追っていたのかもしれない。

 腕の鎖が光り、霧散する。
「どうやら、覚悟が決まったようですわね」
 レイはふんぞり返って言い放つ。
「こっちにきてもらえますか?」
 僕は……、俺は、立ち上がり少女の前に立つ。
「……もっとマドカと一緒にいたいですわ」
 少女は 抱きついてきて、すがるような目で俺を見上げる。
「…………ごめんね、レイ」
 俺は無表情を決め込み、精一杯の強がりを見せる。
「……………………ふふ、もう大丈夫みたいですわね。」
 レイはすがるような表情を一変させ意地悪い笑みを浮かべる。
 俺はただただ無表情でレイを見てやることしかできない。
「わたくしは、もう、死んでいるんですもの」
 俺は震えるレイの体を落ち着かせるように小さな頭を撫でる。
 そして、
「ギヨタンを試みます」
 そう言うと目の前の小さな女の子は一度ニコっと笑う。
「マドカ、大きなわたくしを頼みますわよ」
「うん……わかったよ、レイ……」
 俺の腕の中で光り輝き、そして散り散りになって消えていった。
 俺はその散り散りになった光をしばらく見上げているしかなかった。
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